2021年の介護報酬改定により、全ての介護事業者はBCP(事業継続計画)の策定が義務となりました。同様に、策定された計画を実行するためのシミュレーションや研修の実施も行う必要があります。
この改定は、2024年4月までを経過措置期間としていますが、2022年3月におけるBCP策定済みの事業所は3割未満に留まっています。介護事業所におけるBCP策定にはどんなポイントがあるのでしょうか。
介護サービス事業は、複数の人の生活を介助することで命を支えるサービスです。介護事業所のBCPにおいては、その事業所のサービス地域内で、自然災害やテロなどの緊急事態が発生したとしても事業を継続するための計画策定が求められます。策定に基づいた研修の実施、そして非常事態時におけるシミュレーションを職員たちも行います。
「自然災害対応」に加え、もう1つ必要なのが「感染症対策」です。集団生活という感染症が蔓延しやすい環境下において、感染症対策を重視した指針の整備や研修の実施、訓練の実施も必須となります。
緊急事態において指揮を執る担当者を決めておく、行政を含む連絡先を把握していくことは、従来の介護サービスにおいてもそもそも大切なことでした。BCP策定にあたっては、「自然災害・感染症、それぞれに必要な備蓄を確保しておく」「緊急時のフローを研修・訓練によって職員で共有すること」がより重視されます。
また訓練時に起きた問題をそのままにせず、サービス利用者と職員の安全を第一とした計画の見直しを行うことも、BCP策定の一環です。